製品開発
Development
- HOME
- 製品開発
開発スピリッツ
眼鏡フレーム製造技術で培われた高度な金属精密加工技術、レーザ微細接合技術、特にチタン精密加工技術を活用し独自性のある製品開発をおこなっています。医療現場と連携しそのニーズから新たな価値を持った製品を創造いたします。
CHARMANT製品の特長
CHARMANTの医療器具はチタン素材の有する様々なメリットを生かし、眼鏡フレーム作りで培った技術を用いた適材適所の医療器具に仕上がっております。
チタンのメリット
- 耐食性に優れ錆びない
- 軽量で強度が高く、術者が操作しやすい
- 非磁性で他の器具に干渉しない
- 高い生物学的安全性
チタン合金には様々な種類があり、それぞれが異なる特性を有しており、CHARMANTではチタン合金の中から必要とされる特性にあった材料を用いて医療器具を製作しております。
チタン材の種類と特徴
通称 | 組成 | 比重(水:1) | 弾性域 | 特長 | 用途 |
---|---|---|---|---|---|
純チタン | チタン | 4.5 | 0.8% | 軽さ 耐食性 |
航空機 アクセサリ |
ベータチタン | チタン バナジウム アルミニウム |
4.7 | 1.4% | 軽さ 耐熱性 高弾性 |
ゴルフクラブ |
形状記憶合金 | ニッケル チタン |
6.5 | 7.5% | 形状記憶性 超弾性 (常温時) |
ガイドワイヤー 携帯アンテナ |
低ヤング率チタン合金 | チタン ジルコニウム ニオブ |
5.6 | 1.6% | 高い生物学的安全性 しなやかさ 弾性力 |
医療用器具 (人工骨) (血管内挿入器具) |
エクセレンスチタン (自社開発) |
チタン ジルコニウム ニオブなど |
5.4 | 4.0% | 眼鏡用素材 しなやかさ 弾性力 形状記憶性 |
☆眼鏡用開発素材 |
- *ベータチタンの中にも特性により複数の素材があります。
- *弾性域については加工条件によって異なる場合があります。
チタン系素材の場合、従来の接合法では熱影響により、材料の脆化や機械特性を損なう場合がありました。そのデメリットを解消する接合法がレーザ微細接合技術です。
ロウ付接合とレーザ微細接合の違い
ロウ付の熱影響部
- 結晶粒が肥大化している範囲が大きく粒界や境界域での機械的強度が低下する
- 小さな部品の接合に不向き
- バラつきが大きい
- キズ、変形が生じやすい
レーザ微細接合の熱影響部
- 熱影響部が小さく、機械的強度が低下しにくい
- 小さな部品の接合が可能
- バラつきが小さい
- キズ、変形がない
しかし、レーザ微細接合を行うにあたっては、従来の部品精度や位置決め精度では適切な強度を得ることは難しく、さらに加工精度を上げる必要がありました。
CHARMANTのレーザ微細接合技術
隙間の影響
- 右図は隙間が大きく、表面の陥没や接合強度が得られない
位置ズレの影響
- 右図は溶接域全体に対して溶け込みが偏っているため強度がでない
以上のような長年に渡る取組みの結果、世界トップレベルのレーザ微細接合技術を有するに至りました。
さらに現在も科学技術振興機構のA-STEP支援制度にも採択され,次世代レーザの応用技術開発にも取り組んでいます。
品質管理体制
国際規格であるISO13485を基本とする品質マネジメントシステムを確立しております。
- 各工程における要求仕様(寸法、強度)を厳しくチェック
- 最終検査では顕微鏡下での外観チェック
- 各種性能試験による製品仕様及び品質の確認
メッセージ
株式会社シャルマンの眼科用鋼製器具の新規上市に際して
現在、我が国には多くの医療機器が海外から輸入されています。
一方このたび国内(福井県)に本拠地を置く株式会社シャルマン(以下:シャルマン)が、新たに眼科手術を用いる鋼製機器を開発・製造し、日本メーカーとして市場に新規参入されることは、日本の眼科手術医として非常に嬉しく思います。
同社は国内最大でかつ世界で最高のチタン加工技術を持つメーカーであり、これまで東北大学や大阪大学との共同研究により、世界初のニッケルフリーのチタン形状記憶合金やレーザー微細接合技術の開発に成功し、世界100ヶ国以上に製品が出荷されていると伺っております。
シャルマンが眼鏡フレームにおいて長年培ってきた材料開発や精密加工技術のノウハウで革新的かつ使い易い機器を開発・提供していただけることを歓迎したいと思います。
私は数年前から鋼製機器開発のご相談をいただいておりました。眼科手術医の立場より申し上げてきた要望に対し、尽力いただいた結果、上市される製品は期待どおりの高いレベルに仕上がっていると感じています。
シャルマンには引き続き「モノづくり」にこだわっていただきたいと思います。また、我々眼科医も、より良い医療機器を日本~世界へ発信するべく応援をしていきたいと思います。